祇園 菱岩 折詰弁当・花の味の感想と、入手方法について

食材ひとつ一つが上質で調理の丁寧な仕事ぶりを感じさせて、ひと口ごとに味わいの深さが沁みてくる20品の玉手箱です。この味が分かるおとなになってよかったな、と思います。例えば鮭の幽庵焼、ひと口噛みしめれば「あ、いい鮭だ」と舌が感じます。鮭の身が焼くことで濃密になってそして舌先で解けるような塩梅で。冷めていてもしっとり感が失われていないのです。出汁巻きはご範囲合わせるためか少し塩味を感じさせる後との出汁巻きです。肌理の細やかさが見事な黄色に現れています。筍はほろっと解ける食感とコリっとした歯触りがいいバランスで、箸が止まらない、おかわりが欲しくなる旨さです。

出色は、合鴨のロースでしょう、三枚重ねのロースをお箸で丁寧に剥がしていくと、桜に負けじとピンクのレアの色合いが顔を出し、とろける美味しさが想像してしまい、一気に頬張ります。そこに絶妙に合いの手を入れてくれるのが木の芽和えの、小口にした筍と木の芽の香りと感触です。更にスモークしたサーモンが柔らかく絡みます。

海老と飯蛸の海の旨味も負けていません。海老は柔らかな食感を残しながら香ばしさも感じさせて、旨煮というだけあって味わいが生食では味わえない調理の妙に感心します。飯蛸は、京料理ならではの薄口の色合いと味付けが楽しめます、蛸の頭の食感もいいアクセントです。一寸豆はとにかく初々しくて名脇役です。

鰻の八幡巻きは、鰻皮の焼き加減がパリしながらも身の柔らかさをキープして牛蒡としっとり交わります。イカの黄身焼きは歯に吸い付くような食感と付け合せのきゅうり揉みが爽やか。鶏つくねは軟骨が苦戦とで旨味たっぷりです。

桜の葉寿司は、鯛の切り身に透かした山椒の木の芽が美しい。がぶりと桜の葉を破ると、酢飯の滋味が広がる。白魚は、この味付けはなんだと思わせる、白色を犠牲にせずに旨さを纏っているのが見事だ。小芋の旨煮は地味だが欠かせない。

さて、菱岩といえばご飯と出汁巻きが自慢の品。お弁当のご飯というのは炊きたてのご飯とは別物で、料理の腕がいちばん現れる。この菱岩の白ごはんと出汁巻きだけで無限のループで食べ続けられる。この奈良漬けも良いチョイスで、漬かり具合のほどの良さでご飯のお供として引き算ができている。

菱岩のお弁当の求め方ですが、ホームページには一つから注文を受けますと書いていますが、仕出しのシーズンだと予約はいっぱいですと申し訳無さそうに断られることがあります。その時はデパートに電話して予約してもらうのがベストです。京都高島屋は4日前の予約、京都駅のJR伊勢丹は2日前の予約を受け付けてくれています。

新幹線で京都駅に到着されて駅ビルの伊勢丹でピックアップするのは都合が良いと思います。ただ、一つ注意していただきたいのは、受け渡し時間です。菱岩さんは祇園本店でもデパートでも11時30分からです。

店主のインタビュー記事をネットで見つけました。【京趣味 菱岩】季節の彩りを玉手箱のようなお弁当

京趣味 菱岩
京都市東山区西之町213
213, Nishinocho, Higashiyama-ku, Kyoto
☎075-561-0413
● 予約受付 11:30~21:00
● 定休日 日曜、最終月曜日
(弁当は6月~9月は休み)

お買い求め情報→折詰弁当・花 5,400円(税込)  JR京都伊勢丹・地下2階「老舗・名店弁当コーナー        電話:075-342-5630」の販売は、 午前11時30分、午後3時30分からです。

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